勝間さんの主張って、『自民党の政治家と同じじゃん。90年代を通して、上手く行かなかったでしょ?』という反論があるのでは?う~ん、もし橋本さんが辞めないで財政再建を続けていたらもっと景気は悪化していたんじゃないかな?
今までみたいな、道路やハコモノへの投資じゃなくて、ITとか将来のビジネス創出に繋がるものとかに投資しろということ?確かに将来の生産性を高めるような投資をするべきなんですが、それが何かというと難しいですよね。ただ、この政策は将来インフレになるよという期待を起こすことが主眼ですので、何に投資するかというのは二の次だと思います。と言うか、経済学者よりも先見の明がある政治家が決めることでしょうね。インフレ期待が高まれば消費が増えたり民間企業が投資を増やしますので、公共投資による景気刺激策は終わりです。
景気対策は日銀の通貨政策をメインにして政府の関与は少なくするのが望ましいのですが、デフレでは通貨政策が無効ですので、やむを得ず財政政策をやるというのが勝間さんの意見だと思います。
ちなみに、なぜ政府が景気対策をやるべきではないかという理由は以下の通りです。経済を安定させるために政府と中央銀行は、景気とは逆のことをやる必要があります。
- 好景気時は、政府が公共投資削減・増税。中央銀行は貨幣供給量を減らす。
- 不景気時は、政府が公共投資増大・減税。中央銀行は貨幣供給量を増やす。
- 好景気時は、政府の財政状況は好転しているので減税して庶民に還元すべきだ。
- 不景気時は、政府の赤字は膨れ上がっている。民間企業がコスト削減に努力しているときに、政府は何を無駄遣いしているのだ。今すぐ財政再建が必要である。
市場の貨幣総量がデフレ、インフレに関わっているのでは?そうですね。
MV = PY
という式があります。説明はこちら(手抜き)。貨幣供給量Mと物価Pは正の関係にありますから、日銀がMを調整すれば、オッケーじゃないかとなりますが、今はゼロ金利に近いので通貨市場でこれ以上Mの供給を増やすのは無理です。日銀は供給量M*と設定した場合、直接供給量をコントロールするのではなく、通貨市場で需要がM*に一致するように金利をi*とすることによって間接的にコントロールします。でも、貨幣の需要が今は下の図のような状態で、金利を0%にしてもM' (< M*)しか供給できません。
貨幣総量がデフレに関わっているとしたら、政府が借金をするのって、どうなのかな。政府が日銀から借金をするということは、貨幣の需要が増えて図の需要曲線が右にシフトしますので、貨幣の供給量を増やすことができます。
借金というといつかは返さなきゃいけない(つまり、回収が必要)というような気がして、そんなことしたら、また、デフレにならない?おお、それはリカードの中立命題に関連したいいポイントですね。政府はいつか借金を返すために増税をするだろうと人々が予想する場合は将来に備えて消費を減らし貯金をしますので、政府の景気刺激策の効果は限定的だと考えられます。それを防ぐためには、政府は借金を返さなくても良いという点を周知させる必要があります。理由は以下の通りです。
- 政府の寿命は人間と違って永遠と仮定できますので、永遠に借りっぱなしにできます。
- さらに日銀から借金をした場合は、返さなくても日銀が困ることはないので返す必要ないでしょう。
誰も借金をせずに、好きなだけ、紙幣を刷ろうというのも、モラルハザードとか問題にされちゃうのかな。まあねえ、そういうことを言う評論家もいるかもしれませんが。デフレ以前は日銀が金利を下げることで貨幣供給量を増やしていました。でも、金利を下げることをモラルハザードだと言う人はいないと思うのよね。だから、何がモラルハザードなのか僕にはわからないです。
ふーん、なるほど。ありがとう。
ReplyDeleteでも、国の借金て、連日、大問題になってるよね。。
みんな、あまり、こんな構造は理解してないかも。。
この辺について、ちゃんと発言してる人って勝間さんとか飯田先生以外にいるのかな。
イギリスでも国の借金は話題になってますよ。今政府が必至で歳出カットしてます。保守党に経済政策は期待できません。
ReplyDelete松尾匡さんは良いんじゃないですかね。僕は飯田さんも松尾さんの本も読んだことないのですけど。お父さんが本を持っているかもよん♪